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寺岡 有殿; 吉越 章隆
極薄シリコン酸化膜の形成・評価・信頼性第6回研究会報文集, p.259 - 264, 2001/00
Si(001)表面の初期酸化過程をO分子の並進運動エネルギーを利用して原子線レベルで制御し、また、軟X線放射光を用いてその場光電子分光法により表面分析することを試みた。本研究では超音速O分子線を用いてO分子を最大3eVまで加速できるために第一原理計算で理論的に予測されている解離吸着のエネルギー障壁を実験的に検証可能である。その結果理論値(0.8eV,2.4eV)にほぼ等しい並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)を実測した。この結果は並進運動エネルギーを選択することによって常温においてダイマーのバックボンドまで、さらには、サブサーフェイスのバックボンドまで直接解離吸着過程によって段階的にSi(001)表面を酸化できることを示している。さらに、放射光を用いてSi-2p光電子スペクトルを測定し、Si酸化数が並進運動エネルギーに依存することを見いだした。